時計を売ろうと考えたとき、地元にある質屋に売ることを誰しも一度は検討するはずです。
もちろん複数社と比較をするために査定を出す分には全く問題ありませんが、個人的には地場の質屋1社で売却を決定するのはやめた方がいいと考えています。
目次
需要の高い時計しか買いたがらない
質屋と言えば時計のみならずチケット、貴金属、カバン、財布、お酒、楽器など非常に幅広い商品を扱っているケースが多いです。
つまり、扱っているジャンルは幅広いのですが、一つ一つのジャンルは浅いところまでしか扱いません。
具体的に言えば、ロレックスやオメガのような人気ブランドの中でも特に人気の高いスポーツモデルは「買えばすぐ売れる」商品なので簡単に飛びついてきますが、アンティークモデルや希少価値の高い限定モデルになると買い渋る、あるいは安値で買い叩かれるケースが往々にしてあります。
特に自社で買取から販売まで一貫して行っているような質屋だと、仮に希少価値の高いモデルを買い取ってもいつ売れるか分からないので在庫を抱えるリスクが出てしまいます。
いずれにせよ、販売ルートが狭い地場の質屋は「すぐ売れるかどうか」が命綱なので仮に時計自体に価値があったとしても高値は出したがらないので、あらゆるジャンルの商品を広く浅く扱う質屋に売るよりも、時計の買取を専門に扱っている業者に依頼した方が高値が出やすいのです。
ネット専門業者よりも高値が出せない
店舗展開をしている質屋はネット専門で買取を行う業者よりも買取金額が安くなる傾向にあります。
近年ネット専門で買取をおこなう業者が出てきていますが、ネット専門の買取業者最大のメリットは店舗の運営コストがかからないという点にあります。
かたや店舗を持つ質屋の場合、当然のことながら店舗の不動産賃料や、店舗に配置する社員やアルバイトの人件費がかかります。
そして、そういった店舗の運営コストはどこでまかなうのかと言えばもちろん時計の買取金額になります。
極端な話をすると、利用者目線で言えば店舗を持つ質屋に時計を売る場合、ネット専門の買取業者に売るよりも「店舗運営コスト」分が余分にマイナスされて査定金額を提示されるということです。
もちろん査定金額からマイナスされる業者の利益分は何も店舗の運営コストだけではないので一概には言えません。
しかし、近年全国展開をしているような大手の買取業者が続々と店舗を閉鎖してネット買取へとシフトチェンジしている状況を鑑みると、店舗を運営するというのは買取金額を算出する上で足かせになっているのは間違いないでしょう。
時計の修理・メンテナンスが出来ない
中には出来る業者もあるかもしれませんが、ほとんどの質屋は自社で時計の修理・メンテナンスを行うことが出来ません。
買い取った時計に不備がある場合、再び商品として販売するためには自社で修理やメンテナンスが出来ない業者は外注費を支払って専門業者に依頼しなければならないため、余分に経費かかってしまいます。
そして修理にかかる経費はどこからまかなわれるのかと言えば、もちろん買取金額です。
つまり、自社で修理が出来る業者よりも外注コスト分だけ査定金額をマイナスしなければならないということです。
さらに言えば、時計専門の買取業者であれば自社で修理ができなかったとしても修理業者に継続発注を条件にかなり安い修理費用に抑えられているケースが多々あるのですが、質屋は何も時計だけを扱っているわけではないので修理専門業者とそのような提携しているケースは少ないです。
なので、外注コストのことを考慮して、故障している時計はそもそも買取を断っている質屋すらあるほどです。
以上の理由から、傷のある時計や故障している時計は質屋に売却すると非常に安い値段で買い叩かれるか、あるいは買取を断られるケースがあるのでやめた方がいいでしょう。
結論
今回の記事をまとめると、質屋は
- 需要の高い時計しか買いたがらない
- ネット専門業者よりも高値が出せない
- 時計の修理・メンテナンスが出来ない
という3つの理由から時計を高く買取ることが出来ません。
その為、時計を高く売りたいと考える人は
- アンティークモデルや希少モデルも買い取れる時計専門の業者
- ネット買取に力を入れている業者
- 自社で時計の修理が出来る業者orかなり安い料金で修理の外注が出来る業者
いう3つの指標で探すと良いでしょう。